こんにちは。
当社は大阪で不動産賃貸管理業を営んでいる合同会社Briaです。
リノベーションをして資産価値を上げて保有する事業を主体としております。
賃貸管理の範囲は主に関西をメインとした近畿圏ですが、当社の保有物件やお客様の管理物件を含めるとその範囲は日本全国に及びます。
ブログでは初心者でもできる不動産投資の方法を掲載中。
不動産オーナー増加中です!
さて、今回のお話は”夜逃げ”です(^^♪。
って笑えないです。はい。
不動産の賃貸管理を始めてから”夜逃げ”への対応経験は既に3回目を迎えることとなりました(´・ω・`)
【事実関係】
ことの発端は保証会社からの電話でした。
保証会社担当
「大阪アパート(仮名)に住んでいるAさんが今月で滞納4ヶ月目になりまして、現在は何とか連帯保証人に弁済して頂いている状態です」
「連帯保証人とは連絡が取れているのですが、流石にそろそろ賃貸借契約の解除を希望されています」
「契約者である賃借人本人との連絡が全く取れませんので、オーナー様と連帯保証人様との間で契約を解除する書面を交わして頂きたいのですが。」
まず事実確認からお話しますと…。
当社が管理する物件で約2年近く滞納を続けている賃借人がいました。
保証会社に加入してもらっていたので、毎月代位弁済をして頂いておりました。
最近になって、保証会社から賃借人と連絡が取れなくなった旨の連絡がありました。
その間も滞納額は増えていっている状態です。
オーナーとしては保証会社からの賃料保証があるので、賃借人が滞納していても特に問題ありませんでした。
しかし今回のケースでは、賃借人と連絡が取れなくなり、オーナーへ家賃を保証している保証会社は連帯保証人から弁済をしてもらっている状況。
その連帯保証人が「これ以上賃借人の代わりに払い続けていくのは難しい」と申し出ているそうで、「部屋を解約してほしい」と言ってきたそうです。
画像は当社から保証会社への代位弁済の通知です。
【連帯保証人が賃貸借契約を解除できるの?】
結論から言えば、連帯保証人は契約者と同じように債務者としての扱いを受けますが、契約の解除等に関しての権利は持たないという考え方が一般的です。
つまり、“お金に関しては責任を負うけど、それ以外は何もできない”っていう意味になります。
そのため、今回のようなケースは慎重になる必要があり、保証会社からの提案を受け入れるかどうかと言ったら、2つ返事では応じるべきものではないことがうかがえます。
【保証会社はどうしたいのか?】
保証会社は家賃滞納の際に家主に対して家賃を立て替えて保証するのが役割です。
立て替えた家賃に関しては、後で入居者(契約者)から回収するという流れになります。
では今回のような”夜逃げ”の場合はどうでしょうか。
回収するはずの入居者(契約者)がいません。
基本的には“入居者が住んでいない”という事実が分かった時点で保証契約も解除となり、家賃保証もストップすることとなります。
しかし、”住んでいるかどうか”に関しては家主や保証会社だけでは判断ができない部分もあります。
“夜逃げ”という考え方は、家主や保証会社が入居者に対して“家賃が取れない”という事実と“生活感がなさそう”という考えだけで、勝手に判断している偏った考え方だからです。
ただ保証会社の立場としては、回収できる見込みのない契約者に関して、いつまでも家賃を保証するのはリスクでしかないので、早めに賃貸借契約の解除をしてしまって残地物を撤去しつつ部屋の明け渡しをしてしまいたいというのが実際のところ。
賃貸借契約さえ解除してしまえば、オーナーに対して回収の見込みがない部屋の家賃をいつまでも支払い続けなくて済むからです。
ところで、ここで問題になってくるのは、入居者がいないからと言って保証会社の言うように
“連帯保証人と家主との間で双方が賃貸借契約の解除に同意する形をとる”
ことができるのか
ということです。
勿論、当社としても保証会社と考え方は一緒で、早く問題を解決して次の入居者を募集したいところではあります。
一般的な考え
家賃滞納 → 住んでる気配なさそう(夜逃げ?) → では契約解除! → 部屋の荷物を捨てて次の入居者を募集してまおう(^^)/
こうしたいです。
しかし、そう簡単にはいきません(+_+)。
そう簡単にはいかないハズなのですが、保証会社はこう言います。
保証会社担当「入居者さんがいないので、連帯保証人さんと家主さんとの間で契約解除の合意さえ取れていれば後はこっちに任せて頂ければ…。」
当社担当 「連帯保証人って賃貸借契約を勝手に解除していいんですか?残地物とか撤去しても問題ないんですか?」
保証会社担当「問題ないかどうかというより、そもそも入居者さんがいないので、その辺はどうしようもないので…。」
当社担当 「うーん、それもそうですね…(´・ω・`)」
ってなっちゃいけません!
上にも書いておりますが、連帯保証人は契約者(入居者)と同じように債務に関しては責任を負いますが、“賃貸借契約の解除権や残置物撤去の決定権はありません”。
これがスゴく重要!
つまり、連帯保証人と家主との間で賃貸借契約の解除に関して双方で合意をする形にするのは
とてもリスクが高い!
です。
じゃあどうすればいいんだよ!( ゚Д゚)
【夜逃げした住居の賃貸借契約を解除するには?】
夜逃げしてしまっているので、当然その家に本人は住んでいません。
ただ、住んでいないからと言って賃貸借契約を勝手に解除する訳にはいきません。
連帯保証人からの申し入れだとしても、後々のトラブルになる可能性は否めません。
賃貸借契約とは、双方の合意によって結ばれたものなので、片方の主張で強制的に解除することはできないのです。
もし、解除するには貸主及び借主双方の信頼関係が破壊される等の理由が必要です。
そもそも、家主と連帯保証人との間で勝手に賃貸借契約を解除して荷物を全部捨ててしまった後に、夜逃げしたであろう入居者がある日突然戻って来たらどうでしょうか?
「え?夜逃げ?何で僕が夜逃げするんですか?」
とか言われたら…(+_+)
そうならないようにしなければいけません。
当社の顧客の中でも過去に同様の事例がありました。
入居者からの入金確認が取れないままが6ヶ月が過ぎたそうで、部屋の中にあった荷物を家主の独断で処分したそうです。
後になって長期の海外旅行に行ってた入居者が戻ってきたらしく、
「私が連絡しなかったのは悪いので仕方ありませんが、せめて数百万円する腕時計だけは返して欲しい。」
と言われたそうです。
もちろん、そんな時計は部屋の中にはなかったそうです。
その家主さんとしては、こういったトラブルも想定していたそうで、部屋の中の写真を細かく撮ったり、部屋の中にあった荷物のチェックリストを作るなりしていたそうです。
しかしながら、結局は話がこじれにこじれたそうで、最後は何とか”お金の力”で解決という収まり方だったそうです。
さて、結論です。
「”夜逃げ”した住居の賃貸借契約を解除する」には以下の手順がよろしいかと考えられます。
1、裁判所での「公示送達」
2、賃貸借契約の解除
3、明渡し請求
4、強制執行
これらの手続きによって賃貸借契約を解除まで持っていけることでしょう。
至ってシンプルですよね。
画像は今回の事例ではありませんが、当社が実際に行った債権差押命令の一部です。
建物の明渡しや残置物撤去とは別に債務を確定させて支払わせるためのものです。
さて最後の課題です。
それは家財一式(残置物)の処分方法です。
退去まで完了しましたが、大量の荷物が部屋の中に置いてあります。
この大量の荷物って誰のものでしょうか?
賃貸借契約契約も解除して入居者も退去。だから残置物は…。
実はまだ前入居者のモノなんです(+_+)
勝手に処分したら訴えられます。
例で話したようにこじれるパターンです。
まぁこの辺が管理会社である当社の腕の見せ所ですね。
いずれにせよこの話は現在進行中の生々しいお話です。
近いうちに当社担当がこの物件の入居者の生存?を確認しに行く予定です。
本当に夜逃げしたのか?
まだ住んでいるのか?
いない場合の契約の解除と残置物撤去はどうするのか?
保証会社との家賃保証に関しての取り決めはどうなるのか?
裁判になった場合や残地物撤去の費用は誰がもつのか?
また次回、話の続きを画像付きで載せたいと思うのですが、そもそもまだ賃貸借契約の解除までいってないので部屋の中なんて見せられませんね。
警察と一緒に現地いる画像でも載せときましょうか(^^♪
さてさて、どうなることやら。
続く…。