センスの良い部屋じゃなくても大丈夫!
とにかくやってみることが大切なんです!
希望の物件を見つけたら次は建物のリノベーションに取りかかります。
リノベーションをする場合、その地域の特性や需要に沿うように市場動向を把握する必要があります。
どの程度の費用をかけるべきなのかも検討しなければなりません。
さらに、今後必要とされるであろう費用の予測もたてる必要があります。
築年数の古い物件は、見えない箇所の修繕の多さはデメリットですが、その分も見越して予測を立てる必要があるのです。
入居者からの突然の雨漏りの連絡、白蟻の大量発生、台風で屋根が飛んで穴が開いた、入居者の夜逃げ後の残置物撤去など、逆の意味で本当に多くの経験ができることが築古物件のメリット?とも言えます。
その様な意味での未来の予測は必要です。
物件概要書等で「高利回り」と記載されているのをよく目にしますが、現時点での利回り20%では意味がないのです。
計画を立てて、最悪の事を想定してリノベーションをする必要があります。
ただ、その時点での予算があるものもこれまた事実で、その範囲内で何ができるかを徹底的に考えなくてはなりません。
逆にリスクばかりを想定して予算が膨らんでしまうと、今度はその物件を買った意味がなくなります。
見た目や部屋の設備ばかりを良くしようとしても同じ事が言えます。
入居者が本当に求めているのは何なかをシンプルに考えて、とにかく早くやってみることが大切です。
“センスは普通”なのに”利回り20%達成!!”の施工事例
以下は当社が手掛けたリノベーションの施工事例のうちの一つです。
参考にしてみて下さい。
物件概要
築40年以上の文化住宅2階建(建築年数の経過した木造の連棟長屋)、
再建築不可(道路に接道していない)、間取り2K(全戸空室)、
電気ガス水道の有無不明、雨漏りや水漏れあり、事件事故等の瑕疵不明。
テーマと目標
リノベーションのテーマは「和モダン」です。
目標は「一部屋辺りの賃料を近隣相場よりも3,000円UPでの貸し出す」です。計画当初はイメージばかりが膨らんで、どこまで実現できるか楽しみでした。
が、しかし…。
向かって左側の白っぽい建物が実際に購入した物件です。
リノベーションの内容
和式トイレを洋式へ変更、1Fと2Fの間の床の基礎を強化後にユニットバス設置、エアコン設置、
キッチン交換、地デジ対応工事、雨漏り箇所の防水工事他
事例1
この写真は居室です。
天井が三角になっていてフラットな蛍光灯の取り付けが不可能でした。
そのため、天井を平らにしてもらい、新しい蛍光灯に交換しました。
何故かこの部屋だけフローリングだったので、そのまま使用できました。
壁紙は白を基調とした色に張り替えました。
その結果、部屋が一気に明るくなりました‼
事例2
間取り変更とまではいきませんが、2Kという間取りは圧迫感がありました。
もっと広く見せられる手はないかと考え、壁をぶち抜くことに。
その結果、広く解放感のある空間が完成しました‼
事例3
この写真は玄関の床の部分です。
靴を置く場所なのでそこまで気にしなくても良いかと思われがちですが、おしゃれなクッションフロアを敷いてもらうことにしました。
何かワクワクするような感じがしませんか!?
リノベーションの計画と実施までの経緯
テーマを「和モダン」にしたのは良かったのですが、予算の面からも諦めらなくてはならない工事が多々ありました。
そのため、どうやって予算内でテーマを完成させて目的を達成させるのか、ということに対してとても試行錯誤しました。
物件が古過ぎるのでは?…と言いたくなりますが、それを言ったら今回の投資の意味がなくなります。
リフォーム屋さんや不動産屋さんからの提案は、あれもこれもあった方が良いと言ってきますが、そこまで全てを叶えられるはずがありません。
照明を一つ取り付けるのにも、居室には取り付けるけどキッチンには設置しなくても良いのでは…などの決断しなくてはならない場面もありました。
始めからフローリングだった部屋は、多少汚れていてもクリーニングで済ませても良いのでは…などの細かな費用面の問題にも直面しました。
予算を抑えることによって、新たな心配事も出始めました。
・「和モダン」というテーマを設定しているのに、根本的にそのテーマ通りのリフォームができないとなれば入居者は決まらないのではないのか?
・「一部屋辺りの賃料を近隣相場よりも3,000円UPで貸し出す」という目標を達成することは本当に可能なのか?
・再度、別のリフォーム屋さんに見積りを取ってもらった方が良いのでは?その場合はどの程度の期間が必要?
・悩んでいる間に入居者を募集するタイミングを逃したらどうしよう?
問題は山積みでした。
こんな時は灯台下暗し。
テーマ云々は一度頭の中から隅の方へ追いやることにしました。
そもそも「入居する人は何を基準に部屋を選ぶのか」「入居したいと思える部屋とはどんな部屋なのか」に関してシンプルに考えることにしました。
そう考えたことで頭の中が整理され、あっという間に多くの問題が解決に向かい始めました。
するべき工事、しなくても良い工事を一つずつ明確に選択しました。
当初は全ての工事をしなければテーマ通りの物件が完成しないハズだと思われていましたが、
多くの工事を諦めたにも関わらず「テーマ通り」の物件が完成してしまったのです。
そして、結果的には目標の「一部屋3,000円UPで貸し出す」も達成してしまいました‼
予算の都合で実施しなかった工事
計画当初、以下の工事は全て実施する予定でした。
しかし、予算の都合で渋々諦めた内容です。
・温水便座機能の設置
・インターホン設置
・ガスコンロ設置
・全部屋の照明の設置
・大幅な間取り変更
・畳の部屋をフローリングへ変更
これらの工事は実施とまでは至りませんでしたが、ターゲット(入居希望者)が何を求めているかを考えたことで、結果的には必要最低限の施工箇所に絞る事ができ、予算内での完成を迎えられたことがとても嬉しかったのを覚えています。
今回のポイントとまとめ
自分のイメージや自分で決めたテーマに沿った形のリノベーションをすることはとても大切ですが、「どうすれば入居希望者がその部屋を選んでくれるのか?」という点がもっと大切だと感じました。
「自分のイメージした部屋」=「入居者の求める部屋」”ではない”ことを学ぶことができたとても良い事例となりました。
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